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よみもの
麹
第3話

「一麹二もと三造り」と酒造りの世界では昔から、良い酒を造るのに大事な順番として言われています。「麹」はその、第一番目に来る要素。各蔵の酒の個性がこれによって決まってくるといわれるほと、重要な部分です。      

朝8:30に蒸し上がった米を麹をつくる麹室(こうじむろ)という部屋に入れ、夜は10:00、朝は6:30から、寝食をともにして48時間、麹造りは行なわれます。造りのシーズンは、この作業を繰り返し毎日行ないます。
現在では、大きなお蔵では、自動化された麹製造機を使ったりしますが、やはり大事な吟醸酒クラスとなると、昔ながらの木蓋や木箱を使った手造りの麹造りが行なわれます。どうやら、科学や機械の力ではどうしようもない部分が、酒にはあるようです。

「水尾」は、全商品が木箱による手造り麹。先ほども申し上げましたとおり、朝から夜まで生活を共にした麹とのつきあいをやらないと手造りの麹造りは出来ません。大変ですが、酒の第一要素は、普通酒にいたるまで大事に行なうというのが「水尾」の方針です。
また、麹米は、普通酒にも59%精米の酒造好適米を使っています。少々贅沢な気もしますが、一般の方がのむ普通の酒にこそ最大の技術が払われるべきだという思いが、そこにはあります。